脳血管障害や骨折の手術など急性期で治療を受け、病状が安定し発症から1~2ヶ月以降の状態を回復期といいます。 この回復期といわれる時期に集中的なリハビリテーションを実施し、低下した能力を再び再獲得させ、病気やけがによって心身の機能に障害をもった人々が、再び家庭や社会で生活できることを目指します。手足の動きなどの機能の回復を目指す治療だけでなく、義肢・装具や補助具の処方と装着指導、日常生活自立のための指導、家庭復帰・社会復帰のための社会資源活用への助言、心理的援助などの総合的なアプローチを行います。
当院は、平成21年8月に回復期リハビリテーションを開始致しました。施設基準として、脳血管・運動器・呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)を取得しております。ほぼ365日、患者様の在宅復帰に向け、1日1人当たり2時間~3時間のリハビリテーションを提供いたします。在宅復帰率は92.5%(平成26年度)となっています。また、急性期病棟や療養病棟といった幅広い疾患を対象とした病棟も併設されています。
また、当院では外来リハビリテーションと共に平成25年度から訪問リハビリテーションを開設し、退院後の生活までフォローしていける体制を整えています。
対象疾患 | 発症から入院 |
脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、多発性硬化症などの障害 | 2カ月以内 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節、又は二肢以上の多発骨折の発症後、又は手術後の状態 | 2カ月以内 |
外科手術または、肺炎後の治療時の安静により、廃用症候群を有しており、手術後又は発症後の状態 | 2カ月以内 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節または膝関節の神経、筋または靭帯損傷後の状態 | 1カ月以内 |
回復期リハビリテーション病棟では、日々の生活をお世話させて頂く病棟看護師と介護士がいます。主な仕事として、患者様の治療や体調管理、着替え・トイレ・入浴介助等を行い、リハビリスタッフと連携して起床から就寝まで1日の生活を個々の患者様に合わせ、日常生活をサポートいたします。
また、医療ソーシャルワーカーが退院先・退院後の生活の相談、介護・医療サービスの説明など、他の専門職と協力して入院から退院に向けたサポートをしており、相談の窓口にもなっています。
回復期病棟へ入棟した後、患者様がご自宅へ退院されることを想定し、理学療法士や作業療法士の専門の知識をもったスタッフが、患者様やご家族と共にご自宅を訪問し、玄関の段差、廊下、階段、トイレ、浴槽など、家屋構造を拝見させて頂き、なるべく早い時期から患者様に適した実践的な練習を治療プログラムに取り入れていくため、早期に自宅訪問へ行くように心がけています。また、訪問したご自宅の改修案を作成し、住宅改修や福祉用具のレンタルおよび購入の提案をさせて頂きます。